バーチャルオフィスを利用して起業を決意した方にとって、気になるもののひとつに社会保険の加入が可能なのかどうかが挙げられることと思います。
通常の起業と比べてバーチャルオフィスでの住所登記には、手続きや加入方法にどのような違いがあるのでしょうか。
起業家の皆さんのお悩みにお答えします。
バーチャルオフィスでも社会保険は加入できる
ここで言えることは登記住所と事業所が同一であるときは、登記簿謄本のみ必要です。
登記住所と事業所が違う場合は事業所の賃貸契約書を求められることがあります。
登記住所のバーチャルオフィスでは用意できないので、こうしたことが社会保険への加入のハードルが高く感じられる理由かもしれません。
いずれにしても手続きをする年金事務所によって対応は異なることもあるので、こちらの事情を説明したうえで進めていくことが好ましいです。
その他注意点
会社には帳簿や賃金台帳の類を保管しておく義務があるので、必要があればバーチャルオフィスのなかに専用の保管場所を用意することになります。
年金事務所の窓口で「必要書類の保管場所はあるか」と尋ねられることがあります。
バーチャルオフィスの運営会社にはこうしたサービスが備わっていないところもあるので選ぶ際に確認しておくと良いかもしれません。
実際の加入手続き
加入義務の事実発生(会社を設立したときや初めて社員を雇ったとき)から5日以内にしなければいけません。
加入書類の記入や必要に応じて添付資料の準備をします。
健康保険、社会保険の加入手続きは事業所の「本店所在地」に記載した住所を管轄する年金事務所で行います。
書類の提出方法は「電子申請」「郵送申請」「窓口持参」3通りです。
提出書類
1 健康保険・厚生年金保険 新規適用届
2枚ある新規適用届のうち1枚目は事業の種類を示した事業所態分類票で、2枚目は事業所の地図です。
地図はインターネットで事業所の位置がわかるものを印刷する形で可能です。
また法人の場合は法人(商業)登記簿謄本の原本が必要になります。
個人事業主の場合は事業主の世帯全員の住民票の原本(コピー不可)が必要です。
2 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
被保険者になる方(社会保険に加入する方)全員分を用意します。
従業員から基礎年金番号を確認したうえ記載します。
年金手帳のコピーでも可能です。
3 健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)
被保険者に扶養者がいるとき、扶養者に異動があったときにこの書類が必要になります。
従業員に確認の上、記入します。扶養者の年間所得が103万円を超え130万円未満の場合は、別に「課税(非課税)証明書」の提出が必要です。
年収が130万円未満の20歳以上60歳未満の配偶者の場合には「国民年金第3号被保険者該当届(3枚目)」の提出が必要です。
各被保険者の状況に応じた上記の添付書類を用意して提出します。
これは被保険者の扶養者や異動があった場合その都度提出します。
バーチャルオフィスでの社会保険加入の流れを説明してきました。
会社という体を成すからには外せない社会保険。会社立ち上げの第一歩です。
できるなら、スムーズな手続きで進めていきたいものです。
何かわからないことは年金事務所によく確認しましょう。