生前贈与とバーチャルオフィス。一見まったく関係が無いように見えますが、資産管理会社を使った生前贈与や節税スキームが用いられるケースがあります。
資産管理会社の設立
簡単に言ってしまえば、バーチャルオフィスを使って家族の資産管理会社を作ります。親が資本金100万円でバーチャルオフィスを使い、資産管理会社を設立。資本金の額によっては、交際費や各種税金、制度、助成金などに影響が出ますので最小限で且つ最大限の金額が目安です。消費税も考えると1000万未満がベストでしょうか。
事業内容に関しては、不動産などの管理でも良いですし、何かのコンサルティングでも良いでしょう。但し、本当の意味でペーパーカンパニーだと後から贈与だとみなされる場合もありますので、税理士と確認しながら事業内容なども決めることをお勧めいたします。
法人で子や孫を社員や役員として迎え入れ、事業の内容に応じて専業でなくても仕事をしてもらえれば、報酬の支払いのみならず事業に要する必要経費が使えることになり、その分に関しては、実質非課税で生前贈与ないし相続出来ていると言っても過言ではありません。但し、あくまで事業ありきの結果的に生前贈与や相続になっていることが必要です。
この手法は、昔ながらの「家業」と言われている仕事で多く利用されています。実際に2代目や3代目などと事業が継がれるわけですが、結果的にそれが生前贈与であり節税になっています。もちろん、公私混同と言えるほど家族で使っていては、コンプライアンスや別の問題も出てきますので、あくまで事業ありきと言うわけです。
相続税の圧縮
タワマン節税など流行りの相続税圧縮は、時代と共に移り変わります。ただ、いつの時代も現金1億円を相続するのと、不動産や資産管理会社で相続するのでは、同じ1億円の価値が30%減や半額以下が対象になるケースが多々あります。
これから団塊の世代による大相続時代が始まり、ジュニア世代へ資産が移行している最中ですから、今後も新しい節税手法が出来たり、今まで出来た節税スキームが封じられたりしていきそうです。
生前贈与とバーチャルオフィスのまとめ
遺産相続の平均が2,000万円と言うデータもあることから、平均的な世帯では、相続人数にもよりますが現金のままでも課税されない世帯が多いかもしれません。
ただ、相続において重要なのは、やはり生前贈与です。人間誰しも40代や50代、60代でもらえるお金と30代でもらえるお金の有効性は、ほぼ確実に若い時のほうが貨幣価値があります。子育てが終わって1,000万もらうのと、子育て中にもらう1,000万では、使い道が大きく異なります。
もし、多少なりとも生前贈与的に使えるお金があれば、それを使って仕事が継続出来るように保育や家事代行サービスに使う。子供の教育にお金を使うなど、同じ金額でも将来、それ以上になって返ってくるお金の使い方が出来るはずです。
生前贈与には、国が制度として行っている非課税方法もありますが、バーチャルオフィスを使った法人による資産の移行も可能です。相続金額によっては、検討に値するかもしれません。